ぴんぽん、ぴんぽん

ぴんぽん、という音で目がさめた。

パジャマのまま吾輩のもとへやってくることを日課にしていたマリンが、今日は玄関に寄ってからこちらにきた。
片手に見慣れぬものをたずさえ、にやついた声で吾輩を呼ぶ。

マリンは、それがなんであるかを丁寧に説明していたが、吾輩は、その物体から発せられるにおいのほうが、よほど気にかかった。
くんと嗅いだり、歯を立てたりしてみると、マリンがこれは豚毛だよと言った。

ブラシなるそれが、吾輩の背中をなでると、存外気持ちがいい。
満足げなマリンのために、身をまかせておく。

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